本陣とは決して崩されてはならない場所、我々は知っていた

メニースターズ
第89話 黄金郷編

それぞれの思惑が交差する中 遂に太陽の軍勢は悪の居城に、懐まで進軍してゆく
この周辺は快晴とは言い難い空模様 一度別のルートでサウルーン軍を破っている
現在はソロモン軍が占拠しているが以前は禍々しい石碑が裏に置かれていないのだ
                   ・
                   ・
                   ・
「橋を越えた後には誰も派兵して来なかったわね D国の城がソロモン軍の本陣で
間違いないハズ でも何かおかしくない? 誘い込まれたような」ピジョンは言う

「俺等の進軍がそれだけ速かったって事でやんす やってやる 大方先に君主が負
けたからビビったのでは、こっちが攻めるから結局同じですぜ ねえ兄貴」ハット
「ひひ、当りめえよ 前にもこの城に来たのは確かだけど 今はソロモン軍のはず
じゃなかったか 憎たらしい気配がうようよいる感じだぜ なるほどな」とドミノ

再度この凶陣に踏み込む事になろうとは どれ位の有志が予想していたであろうか
疲労は感じているが幸いにも負傷者は出ずに済んだ―― 世界は取らせるな諸君!

「かっか 来てしまった様だな 太陽の軍勢共、そうだ ここが我がソロモン軍の
本陣だよ ようこそ 素晴らしい速度だったよ 化け物が! 勝負だ!」クロケル
「クソ共 またテメーらとこの城で対決とはな 指輪は見つけたのか? あるなら
俺に寄越せや、サウルーン軍が地上を支配してやるからよ 馬鹿が」冥王の再臨だ
「二度も対峙するとはな この恨み絶対に晴らす 奴等がここに来たのは我らに倒
される宿命だからよ、掌の上だと 違うな 我らの復活の余興だったのだ」と教祖

・・・当然の如くたじろくメンバー 自分達で撃退しているのだからあり得ない姿

「ちょっ どうなってるんだこれ ソロモン軍の本陣じゃないのこの城 サウルー
ン軍が何でいるのよ、私等が倒したでしょうが 復活だって? マジか」コバルト

「まさか い、いや本当にサウルーン軍みたいですね 確かに倒したはずだ どう
なってるんだ ソロモン軍と手を結んだのか これは厄介な事案ですよ」錬金術師
「嫌な予感が的中したわ ここで待ち受けしてたのか 私等を倒さないと世界は取
れないんだから主力をこの城に全部集結させてたのよ、連合してるなんて」紅蓮が

今はもうあの耳障りな羽音は聞こえて来ない、邪神パズスが関与したとは思えない
72柱を含めて幹部連中は城門の内側で待ち構えている 徹底して防御態勢の本陣

「なるほど、これは化け物だな 嫌な波動がギラギラして気分が悪くなるわ 消毒
すべき対象だな実に 何を驚いてる馬鹿がソロモン軍が復活させたのだ」ボティス
「へえ、悪党が抜かすかよ クローバーさん持ってるからよ? 始めていいぜ小僧
待ってたんじゃなくて、此処から出られないの間違いだろ 私と友人達が裁く!」

闇の一派が佇む城壁の周辺は悪趣味な装飾で彩られていた 儀式で魔力の増大用か
この対決は夜戦になる、奇襲を狙っていたわけではないが時間を消費するほど危険
どうやら魔法障壁が張られているらしく、通常ならソロモン軍以外は侵入出来ない
結界は裏切り者が逃げようとした時にも作用する 冥王が外に出れない理由である
邪悪を撃ち落とすのは太陽の軍勢をおいて他にはいない 混沌に染める輩に鉄槌を

「この波動 とても普通の人間が放つものではないが 既に賽は投げられた 城門
前! 決戦である、全力でかかれ 見た目に騙されるな 相手は武神だ」総裁の激
「一度ならず二度までも 冥王サウルーン それにあの教祖か ソロモン軍が復活
させたの? やらせるか、地上は取れないって言ったでしょ 今度こそ滅せよ!」

両陣営共にリーダーが喝を入れる 敵勢はとにかく入り口を固めている 異様な程
ダークソルジャー、重戦士、スナイパー、ヘルライダー、巨躯のミノタウロス 他
更に後方から騎馬部隊が突撃命令に控えている 通常に考えれば落城は厳しい状況
                   ・
                   ・
                   ・
「連合とはな 幹部連中は城内で待ち構えてるな、決戦と来たか いいだろう 他
の軍勢と組んでも我らには勝てぬぞ 今度こそ思い知るだろう 参る!」と小夜香

「まさか雪辱の機会を用意してくれるとはな、冥王様が復活したという事は当然私
も地上に来れるのだよ 思い知れだと 馬鹿めそれは貴様らの方よ」常連の山羊頭
「ああ 覚えているさ 憎たらしい波動だな 何が仕組まれているだ 仕込んだの
は我々の方よ、のこのこやってきおって 使徒気取りが、潰せ 全部」アデル伯爵

「今宵は祭りよ 太陽の軍勢か、少数部隊とは聞いたが まさかたった10人とは
笑止! 武神ですと? このフルカスの所まで来い 本当の戦いを教えてくれる」

早速罵り合い出す両陣営 戦場で相手側を威嚇するのは古代からの習わしだろうか
油断して勝てる状況ではない、防衛ではなく進軍を選択した結果はどうなるか――

「復活でも連合でも無駄なんだよ! 私等はお前達が怖いんじゃないのよ いいさ
やってやるわよ 城門前突撃来るよ 圧し負けるんじゃないよ 見てろ屑が」モカ

「城内になど入れさせるか よくもシトリー様をやってくれたな サウルーン軍な
どあてにしておらん 守備隊、徹底して固めろ 誰も中に侵入させるなよ」重戦士
「ひゃひゃ お前等が行かねーなら俺らがいただくぜ 二度目が通用すると思った
のかアホが 以前と同じ奴らに負けるわけねー リベンジだ 行くぞコラぁ」雑兵

「城門後ろ 狙撃用意! 来てみろ 確実に倒す 閣下を倒したと思っていい気に
なるなよ貴様ら、城門前 挟み込め! 圧し潰せ やってしまえ」闇の剣士と他が

・・・ゆらりと場内を旋回する黒いマント姿「シシ💀 どっちでもいいのだ私は」
読者は鋭いのでお気づきであろうか、ヤツだ! 外道はよっぽどの戦争狂いらしい

「出たな、あの髑髏 昔も確かアトランティカに、ハーデス軍にも参加していたわ
今度はソロモン軍達に眼を付けたか いいでしょう 我々が全部倒す!」ピジョン
「おっと、まだ先走るなってよ? クローバーさんが助言しておいてやるぜここで
そろそろ手抜きは出来ないそうよアンリ、作戦代わりに円陣でも組んでみるか?」

D国の居城の手前は傾斜になっている もう敵の城門は眼の前に差し掛かっている
・・・踏み込んだ太陽の軍勢 直ぐ近くに見張り小屋に使っていたらしき廃屋が?
何故か自然と足が向いた一行は そのまま態勢を構えつつ右手側に移動するのだが
                   ・
                   ・
                   ・
「何してんのよ 誰もいないわよ 敵が来るでしょ、地面に矢印みたいなマークが
見えるんだけど↓ あれ 前も何処かでこんなのあった様な いつ?」疑念の射手
「そうだ 確かに私は皆とお酒を呑んでて 何処だったか、酔ってるハズは 第一
飲んでおらんよ今は 思い出せん・・・何だこれは どういう事だ」隠密は知らぬ

SRPGStudio イベント画面 廃屋の近くにて  奇妙なデジャヴを感じるメンバー 詳細は不明

キイイイィン! 不意にリーダーが持っている緑石の薄板が七色に光り出す (゚д゚)
この物語は冒険者が成り上がりを目指すありふれた軌跡ではない 知っていたのだ

「此処は違う大陸なのよ 何の因果か、私と帝国軍の数名は共同戦線を歩む事にね
昔ならうろたえていたハズ、もう敗北は許されない! 扉の更にその先側へ」統括

「うげぇ、頭が割れるように痛いでやんす 俺には意味不明ですぜ兄貴ー」ハット
「俺等コンビは古代の闘技場のチャンピオンクラスだ 軍に編成されたが」ドミノ
「巨大な花火が上がった気がするんだけど 場所も時期も思い出せないんだよ私は
昔のダチが帰れと、誰だったのか分からないのよ 赤屋根はうちらなのに」騎馬師

                                                     🌞
 お前達だけではない・・・全て試されていると知れ 失ったのは遠園の理想郷!

  黄金だけでは届かぬと悟れ 邪悪を討ち取るならば己が越えて創造してみせろ

                    
グオオオォ!!! 英知を知る強大な龍の咆哮か 此処にいるハズはないのだ既に
あらゆる角度から一斉にこれまでの記憶が流れ込む様な錯覚、一律の世には戻れず
しかし、僅かながら有志達は覚えていたのだ 誰が先か後かなど愚問に過ぎないと

「埋蔵金だって? 冗談だろ 何時迎えに来るんだと、友人がごねてやがるぜ君達
聖女が出て来ないなら私が 今度は守り抜けよな全員で、もう容赦出来ねえぜ」♣

       本陣とは決して崩されてはならない場所、我々は知っていた
                   ・
                   ・
                   ・
                国境無き知人側
「! これは大魔導士も知らない枠外が関与している 婆さんまだ若造の類なのよ
本来ならエルドラド自体がなかった事実 いつの間に、違う アンリの宝具だって
私は関与してないわ 既に持っていたって事じゃないの アンタの姉妹とやらは」

「フヒヒ♪ さあ、クローブさん知らないけど~ こりゃ一杯引っ掛かりな事案か
子よ、過ちを繰り返してはなりませんよ 大地は違えど記憶には残っているのだ!
・・・遠い戦慄が兄弟姉妹を動かしたかもな? 邪悪を認めたつもりは一切なし」

ゴゴゴゴゴ! 地震とは別の振動が再び到来する 何処かで知っていたと言うのか

 

                悠久の図書館で
「馬鹿な! そんな事が出来るわけ また違う意思だぞ、どれだけ広いというのだ
何故引き寄せるのだ? 友人達の想いだと 届かん、私達には まだ」上位は語る

「あのローブ姿は懐に具現化している 有り得ない、持ち手を選ぶと そうなのか
私達にはないのだ、疑似なのだ しかしそれでも十分に務めはある」黒猫は高齢だ
「どういう事なの、そろそろ引退ですって 馬鹿者 こんな大仕事誰が引き継ぐの
各自が成長する以外なし 今頃になって気づくなんて この光は?」白猫と同期か

「ハーデス軍が既に対峙しているのです 邪神パズスが先に地上に介入しているわ
やはり戦っていた、個ではありません 絶対なんて初めから何処にもないと」司書

此処にいる精霊は黄金郷の管理人に指定されている「作り出したのですよ!」😡?
何を言い出すのか良く分らないが 強い意志が戦局を決めるのはご存じの通りか
                   ・
                   ・
                   ・
「逃げ足の速いウサギがいてな? 知り合いが多いんだってよ、旅行好きらしいが
カラーは知らないぜ、決めるのはクローバーさんの役目ではないんでな 行くか」

懐かしい誰かに一瞬だけ再会した気がした 各々には個人差が存在している戦地で
奇妙な金属音と咆哮はやがて聞こえなくなった 魔術師の手元には青い宝珠が――

「ほんの僅かだけ覗いた気がします これが英知、いや 若造だな私は 大魔導士
とは誰でしょうか 全ては掴めない、多くが描いた一部だと?」ロシェは修行中か
「怖かったのよ、お友達が助けに来てくれるって 何言ってんの私 主人を守らな
い馬鹿がいるかよ 時代は逆回し出来ないの 太陽の軍勢、本当は」恐怖した紅蓮

「グルメ特化の作者には不評なのよ私の料理講座は、でも全体の構成ならどうかと
ここで敗退するわけにはいかない 凶星は落ちてないわ! 今度こそ証明する時」

対決はこの後すぐだ 時間にしてほんの数分間の出来事、当然ながら雑兵は知らず
だが、強者ならばこの異変にどこかしら反応を示す ハッキリとは理解出来ぬ現象
普通に考えてこの少人数で落城を狙うには無謀だが、じりじりと闇の殺気が増すが
                   ・
                   ・
                   ・
「? アスモデウス王 何故助言をくれなかったのだ 格が違うではないか これ
では最早、何たる事か これが恐怖と わけが分からん 何者だ奴等」ガープ総裁
「有り得ません く、クソ 逃げられないのだ ま、まだ始まったばかりよ 何を
したヤツラ! 馬鹿な 太陽の軍勢だと 本当に10名だけか この振動は」アデル

「くそヤロウ やっぱり宝の力を使ってやがったな! い、いや こんな近くにあ
るわけねぇ 何だこいつ等? 気のせいか畜生が 何でも有りかてめえら」冥王か
「何を動揺しておりますか まだ誰も踏み込んで!? くっく どういう事だこれ
は クロケル、戦っているのは太陽の軍勢ではなかったのかね」ボティスも驚愕を

「かっかっ 腹をくくりなさい もう対決あるのみ! 光か 闇の連合か それで
いいではないか 城門、ただではやられるな 削れ けずれ ケズレ」黒鳥の乱心

まだぶつかっていないぞ 配下達は士気が萎える様子は無いが 幹部が動揺したか

「ご安心を 鉄壁の布陣ですぞ 何もしてないだろう まだ睨み合いに過ぎません
らしくありませんな 作戦を練ったところで無駄よ 絶対に通さん!」守備の剣士

「しゃらくせえ! 突撃だぁ 復活部隊を舐めるなよ 何も変わってねえぜ 上司
がビビッてどうすんだよ これだから司令って奴は 俺には通用しねーよ」髑髏兵
「? よし突撃隊行け そうだ何を怯む必要がある 以前と同じではないぞパワー
を増した我らを知れ、ソロモン軍に手柄を取られるなよ 踏みにじれぃ!」山羊君

・・・混乱に狂喜する姿あり「シシ💀 私の本来の強さを侮るなよ 地上になど遊
びに来てるのと同じよ 試してみろその力 狩ってヤル」厄介者には逆効果か――

「冥王が言っていた宝の力かこれは? 何をした ちっ 何故その戦力を野望に使
わぬ 理解出来ん、相容れる事はない 絶対に倒す 必ずな 来い!」とラーク卿
「はっは 武者震いか貴公ら 笑止、とっくに覚悟など決まっておるわ 臆するな
我らは腰抜けではない! 叩き割ってやるわ! 同胞の恨みはフルカスが晴らす」

ロノウェの部隊にはアンリ達は関与をしていない 情報統制は中々に難しいものだ
前振りで今回は時間を取られてしまった様だ 寸止めの定期で歯ぎしりな (´・ω・

                               第89話 黄金郷編 5065文字 (続)

紹介動画に興味のある方はこちらから☞ メニースターズ 黄金郷編 PV

SRPGStudio イベント画面 ソロモン軍の司令部へ突入を試みる 城門は敵勢が密集状態 エルゴール ヘルライダー 死神まで参戦

異変を察知できるのは全員ではない フィジカルの強さやカンの良さは個体差が存在する

恐れを知らない狂戦士がアール王国を制圧出来なかった理由を考えてみよう 邪悪を討て

次回 守るべき大地とその意味を示せ ここが仲間達の踏ん張り時

>投稿サイトでも掲載中(画像は無し)

投稿サイトでも掲載中(画像は無し)