離反する理由は聞きたくない軍議室で 組織の王なら冗談は言わぬ

メニースターズ
第84話 黄金郷編

「まあ待ちなさいよアンタ達 せっかく珈琲出てるから これ飲んだらで」騎馬師
「急かすものではない 疲労が溜まっているのは共和国での食事が問題では」隠密
「まさかここでサバ缶を出して来ないでしょうね 食事つきの冒険譚なので」姫様

やりかねないが手抜きはブーイングの標的になるので、兵站なしで玉砕はあり得ん
最前線の部隊が倒れた場合は戦況が大きく揺らぐ事になる それなりの対応を求む
無理やり雪道を行軍して多大な犠牲が出ている事例があるのだ 違う世界だが――

「え? クローブは料理出来るのに私はやらないのかですって めんどくせえしw
グラボの話とかもう時期がずれてるから、取り敢えずレモンサワーで宜しく~」♣

「ぶっちゃけ凱旋したら直談判でしょ、旧王国の借金はうちらが作ったわけじゃな
いのよね いつの間にか連帯責任にされたらやってられないのよ」悪態のコバルト
「そういえば以前の国王は逃亡者の扱いなんでしょうかね、見てませんが」ロシェ

「私等って旧政府の人達と会ってないのよ 国民一人当たりいくらの借金とか 勝
手に計算されたら誰が払うのよって事 何処かで聞いたような問題ね」リーダーが
「世界が支配されたらそれどころじゃないけど、恐らくは私等と同盟を結んだ時に
何か誤算とかあったんじゃないの? 多分、共和国側の都合の話よ」スカーレット

・・・国の責任を押し付けられてる感がするのか お通しを運んで来るピザコンビ
「お待ち、俺等は配給制じゃ無理ですぜ」大食漢が持って来たのは大量の枝豆か?
茹で上がりで湯気がもうもうとしている 山盛りなので各自で小皿に取り分けろと

「お、割と簡素な突き出しで来たな 私は豆類は嫌いでは無いが、つまみにはなる
熱燗を所望したいところだが清酒は完備されていないのだな 残念だが」小夜香は

酒をかわしながら意見交換は昔も今も左程変わらないのかも知れない 国民の責任
注視するのは自分の保身周りではないのかと、直接の防衛にお偉方は出て来ないが
最前線にいるのは太陽の軍勢だ 最も消耗が激しいのを首脳陣は理解しているのか
現場と司令部の相違はどの軍隊にもある 子供騙しのポイントで欺けると思うな!

「えっと 論点がズレてる気がするんですが、それは恐らく別の世界のお話なので
ソロモン軍に比べれば 私等の方が情報には精通してると思いますけど」錬金術師
「意見交換は大事って事でしょ 国民が政府に貸してるんじゃないの 逆ではない
かとね、小説だとフルコース料理とか出ないので 画像なしの劣化箇所と」アンリ

メインディッシュにローストポークを運んで来た これは多分原案と変わってない
但しこれを作ったのはピジョンである、気にせず進んで下さい 空腹は厳禁と――

「ロースト系は火入れが難しいのよ 牛でも豚でも、タレはマスタード系と甘辛の
ゴマ風味を用意よ な? 根に持つとリベンジに出すわけよ 見えんけど」と統括
「あら、マネージャーに嫉妬してもアイツは来ないけど、私は料理を作らないから
肩こり解消してよかったわねピジョンちゃん♪ クローバーさんが姉だからマジ」

「? 姐御とシスターはどう見ても他人でやんすよ、これだから空腹は」ピザ兄弟

「料理が得意な友人がいて助かってるね私等は イエロー組なら出ないから」モカ
「最初に街で酔っ払いに絡まれてた時に丁度私等が通りかかったのよ それでいい
んじゃない どちらなのかしら、ソロモン軍だったわね 相手は フフ」と紅蓮が
「おっと、やはり気掛かりでしたか 戦争ですもんね まだ先は長いです」ロシェ

・・・もう一人、いや正確には更に一人いたか あれは助言役では イイ奴かもな
食事をとり終えた一行は更なる進軍を目指す この旅路に見えて来るのは果たして
今回はリーダーの寄り道はない メインは太陽の軍勢である、紳士は舌打ちをする
                   ・
                   ・
                   ・
                諸国周辺の状況
「畜生 サウルーン軍が退治されたと思ったら今は別の軍団が大陸を蹂躙している
らしいな、国から北一帯と西側諸国はもう制覇されちまったって?」伺う情報屋だ
「ソロモン軍だってさ D国の残党狩りに参加してた私の知り合いも皆ビビッて解
散しちまった つかの間の平和だったね 何か南側にも進軍中とか聞いたよ」傭兵

「私達は丁度エース共和国が壁になっているから、まだ助かっているんじゃないで
しょうか まずいです南側まで侵略されたらもうどの国も勝ち目はないかも」術師

「ねえ 前にさ 謎の柱の話したじゃん? 確か一旦戦争が終わりかけた頃だった
と思うんだけど、アレなんかヤバいらしいよ最初に見つけた人達と周辺とか」狩人
「聞きました 残念ですが、近くに興味本位で見に行った人達も恐らくは同様かと
皆バタバタと倒れ始めてるらしいです 血を吐いたり眼が見えなくなったり」村人

どうやら景気のいい話題では無い様である 本来なら世界は平和の道を歩むべきが

「モノリスだったか サウルーン軍が置いていったのかは知らないが どうやら呪
いの置物の様だその様子は 最初は何ともなかったのか、最近だその話は」情報屋
「確かその置物D国にも一つ有るんだよな 前に聞いた話だと南と東大陸にも似た
様なのが そうだったわ、西側にはないのか これ以外は誰も知らないのか」傭兵

「ソロモン軍が南に進軍中ってまさかそのモノリス目的なのでは 一般には有害で
も化け物共には別の効果が出る様になってるのだとしたら 考え過ぎですか」術師

「分からんがとにかく普通の人間には邪悪なモノと見て間違いないだろ 何に使う
気だそんな得体の知れん置物など、エース共和国が落ちたらこの世の破滅だ」村人
「あの情報屋も見なくなったね 流れとか言ってたけどソロモン軍にやられちゃっ
たのかな、太陽の軍勢って何してるの 共和国の情報が流れて来ない 謎だ」狩人

二度目の奇跡に期待するしかないんでしょうかと落胆する、もう国の規模が違い過
ぎる このまま世界はソロモン軍に踏みにじられるのか 終わりは近いのかと――

「クソッ 元々はC国の怪文書程度だったのに何でこんな事になっちまったんだ!
奇跡など簡単に起きるか、天の助けに期待する様ではもうダメだ 無いさ」住民達

エース共和国の国内外では ソロモン軍に対する恐怖で落胆と不安が広がっていた
救済は二度は起きないだろうと そして、世界制覇を目論む悪の軍勢に届いた報は

SRPGStudio イベント画面 ソロモン軍の会議シーン 偵察隊と黒鳥のクロケル 別働隊が行方不明らしい
                                     
                 闇側の軍議室                 
「静まれ 王の御前であるぞ 確かめたのだろうな、どの辺りまで来ている 召喚
に不手際があったか 別の抜け道でなく実力突破して来たという事だな」クロケル
「は、はい 他の偵察隊と情報を合わせましたがC国内の包囲網は共和国の いえ
太陽の軍勢により撃破された模様です 奴らは現在も北上中と」慌てる配下の山羊

「続けて報告いたします エース共和国を奇襲攻撃に出た後行方不明になっている
ロノウェ隊ですが現在も消息は掴めていません、ですが 宜しいでしょうか」斥候

「構わん続けて報告せよ 大方やられたのだろうな 別に驚かぬわ その太陽とや
らがサウルーン軍を討ったのだ クロケル、お主功を焦ったな だなガープ殿」王
「この城の裏に魔力元がある事でいささか驕りが出たのだクロケル 戦力を分散し
て無理に領土を拡大した結果敵の主力につけこまれたぞ 予測出来ぬのか?」総裁

・・・大企業の幹部が1つの会議室に全員同席する事は有り得ない 組織とはそうだ

「総裁、突破されたとされる箇所ですが 私のツレを含め幹部だけでも4人 更に言
いますと 其処に辿り着くには先陣を抜けてこなくては来れないのですが」アデル
「先陣には二名の同胞が奴らの排除に動いた筈です、不手際があったとしても幹部
だけで6名ですぞ? ここでクロケル殿を叱咤するのは 戦略ミスではない!」黒鎧

「いえ 私の采配が甘かったようです 化け物だったようです 私はサウルーン軍
が指輪をアテにして高を括ったのが原因だと、少々奴らを舐めていました」黒鳥は

「待て、指輪だと? そうか サウルーン軍はそれを 我らの幹部6名で歯が立た
ない程の部隊なのか 魔力を考慮しても普通の軍勢ではないな、これは」ガープだ
「報告の続きだがロノウェ隊の名残と思われる炭屑が発見されたそうだ クックッ
エース共和国、大火力を持ちながら何故我らに攻めて来ないのか?」アスモデウス

驚くべき偵察隊の回答だった 行方知れずの部隊が誰一人帰還していない、結果は

「炭屑ですと? まさか部隊丸ごとではないでしょうな どうなっている そんな
大火力を操れるほどの部隊など 地上の人間には不可能でしょう、まさか」アデル

「奴ら そうか、どうやらこちらにとって好ましくない輩が裏で何かしておる様で
はないか この状況は ふむ、共和国には進軍するなよ また同じ結果になるぞ!
城の裏のアレが目的であろうな奴らも、おい南に派兵した部隊も同様に始末される
と覚悟せよ! さて、どうするか 化け物達が進軍してくる様だが」アスモデウス

「! 普通に戦えば負けるな我が軍は クロケル一旦戦力をこの城に固めろ 南に
進軍した奴らは帰って来ないだろう、支部はなくなったと思え まだ距離があるか
目覚めるのがもう少し早ければ 言って始まらん 簡単には近くまでこれぬだろう
太陽の軍勢だと・・・光の圏族なのか あるいは別の勢力か、おのれ」ガープ総裁

状況は一気に慌ただしくなった様子、戦時には予期せぬ事態が起こりやすいものだ
先に召喚されていた幹部の半数は現場に出撃した後なのだ 報告が来ていない――

「どういう事ですか! 炭屑だの支部は諦めろだの 我等は世界の半数に拡大して
いる今こそ攻め時の好機だったのですよ 人間共など力で捻じ伏せれば」フルカス
「人間ならな、フルカス 許せ 私の采配ミスだった 太陽の軍勢だけではなかっ
たというわけだ クソッ いつだ サウルーン軍の頃にはいなかったはず!」黒鳥

「王として提案すべきではないが道は2つか いや視野を広げれば3つかな ソロモ
ン軍の誇りを捨てるなら 一つは勿論この城で奴らを迎え撃つ事だ」アスモデウス
「? アスモデウス様 誇りを捨てるとはどういう事ですか 人間の軍門になど下
りませんよ我等全員、屈辱よりも戦いを選択するでしょう 当然です」アデル伯爵

逃げ腰の発言に同胞は嫌疑を投げかける、王よ 自分自身で何を言っているのかと
「目覚めたばかりでボケているのではないでしょうな」強気の黒鎧は叱咤するのだ
普通なら返り討ちでしょう 当然です、我等は天下のソロモン軍 頷く配下達だが

「誰が人間に下ると言った 誇りではなく正確にはこの城を捨てるかだ モノリス
だったか コレを欲しがる勢力がいるのは明白、元々我らの所有では無いぞ」総裁
「2つ目はこの城を諦めて いや モノリスをだ 動かせぬのだ我らの力では 宝よ
惜しいがな、戦力を蓄える為に西側に本陣を移動するかだろう 成程」とクロケル

「最後の選択だがアスモデウス王 私は拒否するぞ、初めに言っておく 潔く散っ
た方が同胞の為だぞ 一度ハ―デスに下れば最早ソロモン軍の復活はない、危険だ
第一召喚出来るのか貴様? 言わせてもらうが王としての資質は最上位ではないで
あろう 仲違いしてる暇はないが、奴らを同盟として利用するには無謀だ」ガープ

闇の一派は単体ではない、横のつながりが意外と広いのだ 邪神パズスがいい例か
地上に対して雪辱の想いがある組織を利用する案は 割と王道に思えるが、しかし

「慌てるなガープ 玉砕を望むか貴様は そういう事も出来るというわけか 違う
ハーデス軍を奴らにぶつけられれば面白いが、我らを弾よけにするだろう 当然な
逃げるのだよ 戦えば負けるなら私は逃亡するかも知れんぞ 罵って貰って結構よ
但し、ただ逃げるのではないぞ クックッ 成程他の勢力とは、考えたな貴様」王

「別の勢力と組むならいざ知らず 逃げるですと? なんと情けない 私がソロモ
ン軍の復活に捧げた情念は あなたは本当に王ですか、どうしろと」困惑のアデル
「はっは メッキが剝がれたわ 王よ いや違うな、アスモデウス 貴様臆したな
笑止! ガープ殿、こやつは偽りの王位をまとっただけにすぎん うつけが」鉄鎧

会議室の空気が一気に重くなる 指導者の失言、ダメだ 駄目だ その様な言動は
ソロモン軍は複数の王がいるそうな ガープ総裁も位では統率役を買って出れるが
同じブランドでも長年経過すると、どうしても派閥が形成されていく その典型か

「・・・ああ そうだな 散るより逃げるぞ私は 貴様はここでカッコをつけて敵
にやられてしまえ! だが後悔するなよ ロノウェ隊の最後を聞いてなかったのか
私の予想だと行方不明者は2度と地上には蘇らん いや地獄にもいけず消滅したのだ
分かるか 消されたのだ文字どうり 恐ろしいのだ私は、逃げたいのだ」チビの王将

「? 本気ですか 召喚した私が馬鹿だったのか 今何と仰った 恐ろしいですと
逃げたいですと、結構逃げなさい あなたはこのソロモン軍にはふさわしくない!
何処に逃げる気で 我らを裏切ってタダで済むと思っているのですか 見込み違い
でした ガープ総裁私の眼は節穴の様です、こんな事なら復活するべきでは」黒鳥

「黙れ! クロケル、貴様前に何と言ったか 自分はアスモデウス様に従いますと
言ったな? 私はお前の主ではない! 見損なったぞ 双方だ消えろ馬鹿が」総裁

何と、天下を謳う軍勢がここで仲違いの気配ではないか アンリ達は意図してない
確かにエース共和国とソロモン軍の一騎打ちとは様相が異なる 離反の雰囲気だが

「冗談はおやめ下さい 王と召喚者なしで勝てる理由がないではありませんか全く
ガープ総裁、我らを分裂させる事が奴らの目論見だとしたら 違いますか」アデル
「はっは こいつは傑作よ、このフルカス この展開は読めなかったわ 気に入ら
ぬと初めから言ってる 何がソロモン軍だ皆己のエゴではないか 笑止」フルカス

「もういい 本心を皆の前で言える貴様はある意味王の器よ だが軍としての発言
ではない 召喚者はクロケルでなく今後は私が行う、勇気がある者は残れ」と総裁

(´・ω・`) 長いので今回はここまでだってよ 軍議はそう簡単にはいかないのぜ★

            第84話 黄金郷編 5485文字 (続)

紹介動画に興味のある方はこちらから☞ メニースターズ 黄金郷編 PV

SRPGStudio イベント画面 ソロモン軍の会議シーン 不和状態になる 今後の指揮はガープ総裁が仕切る流れ 追放されるのはアスモデウス王

大手企業の社員が一か所に集まる事はほぼ無い、組織が大きいと統制してゆくのが困難に

あくどい行いで業績を上げてもいずれバレるビッグな密告 話題が逸れたが気をつけてw

次回 仲間割れの気配と最短ルート 進撃のブタは哀れに散る

>投稿サイトでも掲載中(画像は無し)

投稿サイトでも掲載中(画像は無し)