勝利するのは悪意か善意か、犠牲になった者の苦しみを知れ!

メニースターズ
第91話 黄金郷編

ソロモン軍の本陣に攻撃を仕掛けている太陽の軍勢 城門の守備隊を追い詰めるが
肝心なのはここから、72柱の幹部が複数 更には厄介な死神が陣中を徘徊している

「あの髑髏には近よらないで 他の幹部狙いよ、確実に仕留める」リーダーの檄が
「王国の奇襲が始まりだったわね 怪文書だって、あの時にもう決まってたのよ!
この戦いは 終わらせてやる 犠牲になった者の苦しみを知れ」紅蓮は不調だがな

抵抗する入り口付近の兵士達を無理やり弾き飛ばして入場の段階に差し掛かる一行
ふと視界に入るのは左陣側に羽ばたく黒い翼「見つけた! あのカラスが」と統括
                   ・
                   ・
                   ・
「ごちゃごちゃうるせーんだよ 宝を横取りしたクセによ 俺が手に入れてたら逆
の結果だろクソ野郎が 闇は直ぐそこだぜ! ビビってるクセによ ああ?」冥王
「残念だが我らの勝ちだ 貴様らは忘れている、この場所が本陣だがソロモン軍の
全てではない あの石碑はここだけではないのだ 策は打った」総裁の采配らしい

「フシシ💀 どうでもいいから食わせろ 混沌ほど美味よもっと嘆きが欲しいのだ
大陸の半分とはな、残念よ あの裏の魔石は私が頂いておこう 当然の権利だな」

死神にはお見通しだという事か 欲深い業を背負う者はその身を亡ぼすのが定説か
古の皇帝の椅子には選ばれた王しか着席を許されない 此処には結社連中は居ない
遂に城門を突破したアンリ達は邪悪との本戦に臨む 世界は簡単に取れぬものだと

「おい髑髏 テメーには見えてねーんだよ 魔石? 一部だよおめーもよ 黒い点
に過ぎねーのよタコ、南のモノリスはもうないぜ 東も今頃バトルしてるさ」♣が

「前に居た時は無かっただろうが 魔石じゃねーだと、他にもあんのかよ おいソ
ロモン軍 聞いてねえぞ 何が同盟だ くたばれよ、てめーら全部な」サウルーン
「知っていたのか 南にはあるハズもうないとは? 東でバトルだと 我らの軍と
競っているという意味か まさか共和国にそこまでの戦力は い、いや待て」総裁

「私等も全部じゃないんですけど♪ 囮だったりね、知らずに逝けよ 世界は広か
ったみたいね 遅いのは君達なのコレ もう怖くないわよこれで」後方のモカさん

入場した先に待ち受ける敵勢の幹部は死神を抜いて7名か フルカス、アデル伯爵
クロケル、ボティス、冥王サウルーン、ラーク卿、そして司令担当のガープ総裁が
皆々の表情は険しく気迫を滲ませていた 死神だけは相変わらず無感情に旋回する
一斉に全員を相手にするのは無理がある 距離的に一番近いのはお喋りの山羊頭だ
                   
                                      
「ふっ 小説では意見させてもらうぞ 復活したのは私を含めて3体の兄弟達だ!」
「は? あっそう、どっちみち顔グラ同じでしょ君等 今は用意されてないけどな
全く 今日の酒と肴は何がいいか考えてる時に 邪魔すんじゃねーよ」導師を塞ぐ

・・・雑魚よりは一回り大きい悪魔角 一応グレーターデーモンの同種だろうか?
似た様な風貌が文字通りの3体、アンリ達の行く手を邪魔する ここで対決を――

「かっか 節穴で結構ですよ 勝てば官軍なのだ、誰でもいい 摘み取れ!」黒鳥
「愚か者、地上制覇なんて私達が許すハズないでしょ 全員ここで滅せよ」アンリ

山羊のトリオが軽快なステップを披露しながら 矢じりの鋭い矛先を向けて突撃を
この時味方勢は車掛の陣形から斜め状に変化していた 臨時で雁行の形になったか
長期戦には向かないが対峙する相手ごとに適応させる事が可能 戦いの素人に非ず
冷静に対処する、ピジョンが先頭の一突きをいなすと敵の足元に土の魔法陣が出現
詠唱を終えていたスカーレットの妨害魔法か、泥沼の様に相手の脚を絡めとる術式

「何・・・おのれ 時間稼ぎのつもりか 汚いぞ貴様等!」m9(^Д^) 戦争中w

山羊頭がもがくのを見越してロシェの追加が敵を襲う 無数の氷柱が頭上から降る
援護の矢が飛来する、待ってましたとドミノとハットのむさ苦しいコストプッシュ
間髪入れずに小夜香とアンリが縦斬り、横斬り コバルトが突進して勝負あり――
同じような戦法で他の2体も始末される「馬鹿な、この手際の速さはあり得んぞ!」
恨み節にもっと喋らせろと抜かしたが他の雑魚よりは出番が多い この辺で逝けと

「何贅沢言ってんの モブなの あなた達は ストーリー上要らないのに来たんだ
ろーがよ 特別枠でしょ 悪役の定番だからよ じゃあな」騎馬師は体力が多いが
「72柱を折らないと作戦は終わらないわけよ、私が無双するとバランス崩壊なので
んなわけだからクローバーさん少し観戦しとくんでよろしこ まあ、大丈夫だろ」

「このフルカスも舐められたものだな いいだろう、今度は私が貴様等の相手だ」
                   ・
                   ・
                   ・
ここで幹部の鉄鎧が立ちはだかる 重戦士系だが明らかに城門兵より殺気は濃厚だ
両手剣を携えて一撃を狙うタイプか、「貴様は珍しく武人の雰囲気だな」と小夜香
それ以上の問答は無い 達人の間合いには一般兵士は入れない、場がピリピリする
・・・どりゃああああ!!! 気合と共に豪快な上段からの振り下ろしが風を切る

速い! 凄まじい衝撃に周囲にいたら体が浮くほどの威力だ 地面に傷跡が残るが
交差した隠密は額から流血している 完全にはかわせなかったか「ぐ、ぐぬぬ!」
しかし、苦悶の言葉はフルカスの口から洩れた 残念ながら一騎打ちではないのだ
敵将の背後にいたのはリーダーとピジョン 卑怯だからこそ生き残る、戦場は非情

「弱いから負けるのだ! あと半歩踏み込めたら私が討っていた、無念」倒れる将
「何度も言いますが私達だからですよ 進軍の時期が遅れていたらどうなっていた
か 先ずは一人、我々も致命ではないですが手傷は負っていますので」と錬金術師

・・・次な、導師様が指で標的にしろと 召喚の準備に入っていた復活の教祖側に
城門で突撃隊を削ったのにまた新しく援軍が来られても思わしくないと「チッ!」
元々近接戦を嫌うラーク卿 鉄鎧の右前方に隠れるようにしていたが流れ的に対峙

「こうまで憎い奴らも珍しい また貴様らとはな 馬鹿共が! 道を間違えたのだ
ゆくぞ 以前と同じだと思うな、私の呪詛は距離など関係ない」新薬は無いがな~
「邪教の旗揚げなんてするべきじゃなかったわね 間違えたのはお前の方よ 二度
と地上に来るな、成長を遂げたのは我々の方だ 悪には屈しない」統括はピジョン

SRPGStudio 敵将のステータス画像 ネクロマンサーのラーク卿 所属はサウルーン軍である ソロモン軍に利用されている

召喚術ではない様子だ 両手から邪気の魔弾を放ってくる「ちょ、何で私の方に」
狙われたのは不意に気の抜けていたコバルトか 咄嗟にマッチョ達を壁にするが?
ドンッ! ドンッ! 被弾した模様、アームガードしているが魔法耐性は無いはず
煙をあげながらも次の攻撃の隙は与えない様に周りを囲む「野郎、やりやがって」

怒りの表情のピザ兄弟 腹いせにピッタリと騎馬師に密着する距離か、うっ( ノД`)
バキッ! っと、何故か味方に殴られるナイスガイ「タコ! そこ退いてくれる」
弓矢の牽制が飛来する間に教祖を袋叩きにする一行 一撃で決めないとこうなるか

「ぐ、私は信じぬぞ ソロモン軍も貴様らもな!」ボコボコに腫れた顔で合掌の没
「いいから逝けって お前は利用されたんだよマヌケが 地獄で狂戦士と戯れてろ
あばよ コイツの手下のせいで戦争になってるんだし 不幸の元凶でしょ」射撃手
                   
                                     
周囲を吟味してる死神には誰も近寄らない やはり闇の軍勢にも毛嫌いされている
ヤツはまだ食欲が湧かないのか、「フシシ💀 いいぞもっとやれ 育てるがいい」
放置して別の幹部に狙いを定める 同じくC国出身のアデル伯爵が次の相手だろう
ツレのB男爵は研究所跡で先に倒している 本部の予想はハズレたが追い詰めたぞ

「はは、こうなる事が決まっていただと? 私の努力は何の意味があったのかとな
これが笑わずにおれようか、どうやら貴様等とは何かの因縁が付きまとっている」
「開き直っても流れは変えられないわよ リストラでしょあんた、私等の勝利だよ
王国に攻めて来た時に倒してるハズだけどね、策を張っていたのか」スカーレット

戦力的には72柱のフルカスの方が強敵だったと思われる 雑兵に比べれば格上だが
飛行部隊に属するので上空から襲撃をして来る 雁行から鶴翼に変えている自軍勢
リーダーの首は簡単に討ち取れない 攻撃を弾かれて後は挟み込まれる体制になる

「おのれ、私が総司令なら別の戦術を模索していたものを」出世はここで終了だな
「お前には無理よ! 策略だけでは組織は束ねられず 一軍師のつもりだったのか
底が浅すぎる さらば、我々は此処に辿り着くまでに多くの障壁を超えた」と統括

返す刀で逆方向の大カラスに狙いをつける太陽の軍勢「いたわ、あの旅人の正体」
ソロモン軍の中では中堅に属するらしいクロケル 全員と友好的ではない召喚者か
脱退しているのは王だったアスモデウス 天下を取れれば名宰相として格上げだが
冥王サウルーンは手助けなどする気はなし、弱肉強食が悪の基本 自然の成り行き

「かっか まさか主力自らが本陣に攻めこんで来ようとは 節穴がお相手だ 不満
かね 糞が! 戦争が開始されたと私に教えたのは君達の方だったがね」確かにな

「裏で手引きしてるのは予想外だったよ ホントだ コイツだけ影がないわ 黒い
のにな、先入観か いや人型なら分かんないわねこりゃ 成程」コバルトが確認を

黒鳥は物理ではなく魔術師に属するようだ 奴は嘴から火球や氷弾を放てるらしい
城内を飛翔しながら決して降りて来ない、武人ではなく策士の類「お、そうだな」
ここでサボり気味だった導師様がぼそりと一言 気まぐれなので意見出来ないが😡
                  
                  
・・・ズガン! 面倒な詠唱をする必要はない 大技を使用しない場合は単発閃撃
煙をあげて落下する哀れな末路 焦げても元々色合い的にそうだろと言わんばかり
チート行為ではなく初めから強キャラなのだ「なるべく自分達でケリをつけろよ」

 

「ガ・・・馬鹿な 無詠唱だと? この私が直撃を食らうと」同胞は助けに来ない
「ひひ、お前は仲間に信頼されてねえみてえだな 自業自得だろ あばよ」ドミノ

欺き続けた結果だろうか 節穴はお怒りの一撃で沈んだ、残る幹部連中はあと半分
居城に詰める前にソロモン軍の君主を大橋付近で倒しているアンリ達「三時方向」
咄嗟にふり返るメンバー 72柱のボティスが構えている、貴族らしい出で立ちだが

「将のボティスだ、シトリー閣下を沈めたらしいな、おそらく私は負けるだろうさ
ガープでは世界は取れん 知らんでいいぞ 来い 偽りのソロモン軍が相手だ!」
「? 自虐的な発言ですね もしや敵勢はトップを間違えたのか 何があったか知
らないが悪は討たれますよ、では準備を皆さん 全員召喚は無理ですよ」とロシェ

口先とは裏腹に鋭い攻撃を見舞って来る幹部だが、突進の直線上には立たない一行
技巧派の騎馬兵らしく遠距離の矢と魔術弾は全て弾き飛ばしている「強い方だな」
荒野で決戦していたら苦戦していたかも知れない相手 しかし、城内に入られては
最初に突撃部隊を城門に集中させたのが裏目に出た、護衛無しでは限界が来る――
僅かな隙をしつこく連射していた一矢が脚を捉える 健闘したが容赦は出来ないな

「当然の結果か くっく 最初の戦略がクロケルではな グ ここまでか」撃沈だ
「一騎打ちならどうか分からぬ腕前の様だがな、あえて退くという選択肢を避けた
結果よ 本陣を、もう遅い 逃げれば裏切り者扱いだろうが貴様達は」手傷の隠密
                   ・
                   ・
                   ・
死神を除いてあと二名「よお、クソ共 俺をシカトとはいい度胸だな」先に冥王か
サウルーン軍とは一度この城で決着をつけているが再び首領との対戦を強いられる
黄金郷に指輪は隠されてない 不気味な憎悪が肥大しているのを感じる 城の中央
ヤツとの決着は次回に持ち越しになりそうだ 強い恨みを募らせている軍の長――

「納得いかねえんだよ! 何でテメーらばかり優遇されるんだ ああ? 畜生共が
まさか二度も勝てる気でいるわけじゃあるまいな 潰してやるぜ」と悪党は吠える

「しつこい奴ね 冥王サウルーン、地上は取れないって言ったでしょ 今度こそ身
の程を知りなさい 邪神パズスにも利用されていた愚王のクセに」アンリの挑発か

勝利するのは悪意善意か、犠牲になった者の苦しみを知れ! 両軍逃げ場はない

頭に血が上ったのか、速攻を仕掛けようと一直線に襲い掛かって来る「愚か者め」
ピジョンに一瞥されて大振りの斬撃は空を切る 威圧的なのは変わっていない様子
若干のタメを作って今度は連続の魔法弾を乱発して来た「オラオラ! くたばれ」

基本的に前回と戦法が同じでは勝ち目は低いのではなかろうか 動きは素早い冥王
闇雲に暴れ回るだけでは決定打は食らわない 冷静なソロモン軍の方が格上の理由
流れ弾に当たる様な弱者なら此処まで進軍はして来れない 最早時間の問題だった

・・・ズバッ! 四方から取り囲まれては無情にもこうなる この再戦は実らない

「へっ 英雄気取りがよ? 闇に食われちまえ貴様等、たまたま調子が悪い時に」
「全部倒してやるわよ 安心して逝きな、言い訳を この城以外にはサウルーン軍
はいないでしょうね 首領でしょコイツ 利用されたのかしら」紅蓮は後衛だがな

おっと、タイムオーバーの時間だ 攻城戦は侵入されると不利なのは承知の事実か

                                  第91話 黄金郷編 5127文字 (続)

紹介動画に興味のある方はこちらから☞ メニースターズ 黄金郷編 PV

SRPGStudio 敵将のステータス画像 冥王サウルーン 首領の一人 ソロモン軍に従う気は無い プレイヤー達とも敵対している 粗暴な性格

ゲーム原案をプロット側だとは思っていません 作成時は小説として改稿する考えは皆無

作中で何度も挫折を経験しており、正直な話 途中で諦めかけた 何時か君達が来るまで

次回 黄金のマグナムは劫火を貫く威力 残りは死神と総司令のみ

>投稿サイトでも掲載中(画像は無し)

投稿サイトでも掲載中(画像は無し)